頭部外傷とは
頭部外傷とは、いわゆる頭に生じたケガのことを言いますが、これは大きく直接的な損傷と間接的な損傷に分けられます。
直接的損傷とは、頭部に加わった外力によって脳が損傷している状態です。
例えば、交通事故や転倒・転落、殴打されるといったことで、頭蓋骨に骨折、頭皮に創傷、脳が損傷(脳挫傷、頭蓋内出血 など)しているといった場合を言います。
これを「一次性脳損傷」とも言います。
また関節的損傷とは、一次性脳損傷によって起きたとされる出血や浮腫といったことによって、脳が圧迫されることで損傷を受けている状態を言います。
頭蓋内圧亢進や脳ヘルニアといった症状が間接的損傷(「二次性脳損傷」)になります。
主な頭部外傷
- 頭皮の創傷(すり傷、切り傷、刺し傷、裂傷等)
- 頭蓋骨骨折
- 脳損傷(脳挫傷、脳震盪、急性頭蓋内血腫、慢性硬膜下血腫※ など)
など
※慢性硬膜下血腫とは
軽微な外傷であっても高齢者の場合には脳と頭蓋骨の間の硬膜下に徐々に血腫が溜まっていくことがあります。
これを慢性硬膜下血腫と言います。
大体、受傷後2週間から1ヶ月くらいの間に発症することが多いのですが、徐々に歩行困難や上肢の脱力などが出現し、場合によっては頭痛や認知機能障害を伴うこともあります。
放置しておくと命に関わることもあり、画像による診断が重要になります。
血腫が脳を圧排しているようなら頭蓋骨に穴を開けて血腫を抜く手術をしなければなりません。
頭部外傷の検査について
頭部に強い衝撃があって、脳に損傷や出血がある場合は頭蓋骨骨折の有無をはじめ、脳挫傷や外傷性くも膜下出血の有無のほか、二次性脳損傷の原因となる脳内の血腫の有無なども確認していきます。
なお、医師が診療した結果、高度医療機器による検査や手術、入院加療が必要と判断すれば、当院と病診連携している高度医療機関をご紹介します。
また傷口ができたという場合は、感染症(髄膜炎や脳炎など)を発症する可能性もあることから直ちに外科的処置を行いますので、速やかにご受診ください。
頭部外傷後に以下のような症状があれば救急車を呼ぶのが好ましいと考えます
- 意識が朦朧としている
- 手足が動きにくい
- けいれんを起こす
- 出血がひどい
- 耳や鼻から、血液混じりの水が出た
など
頭部外傷後の以下のような症状であればひとまず当院にて診察をしてからでも良い場合が多いと思われます。
- 吐き気がして、嘔吐を繰り返す
- 頭痛が強い、またはひどくなる
- たんこぶが良くならない
- 物が二重に見える
- 授傷後2週間から1ヶ月程度で手足の力が入りにくくなったり、物忘れが出てきた